自然と健康を科学する ツムラ
公開日:2026/05/11 最終更新日:2026/05/11

高麗人参は希少な作物?!
知っていそうで知らない育て方や産地をご紹介。

高麗人参

元気を整える和漢素材の代表である“高麗人参”。御種人参、朝鮮人参、高麗人参とさまざまな呼び方がありますが、
すべて同じ種ということをご存知でしょうか?
ツムラでは、高麗人参を手軽に生活に取り入れていただけるよう、いろいろな商品を展開しています。
以前に高麗人参がどんな役割の植物なのかについて取り上げましたが、今回は高麗人参が作られ私たちの手もとに届くまでにどれほどの手間暇がかけられているのか、その加工法や産地などを詳しくご紹介していきます。
(暮らしに取り入れたい和漢素材:高麗人参の記事はこちら

高麗人参って野菜の人参とは違うの?

「高麗人参」って、私たちが普段食べているオレンジ色のニンジンとどう違うの?と思ったことはありませんか?
実はこの2つ、名前はとっても似ていますが、植物としては全くの“別物”なんです。

まず、おなじみの野菜のニンジンは「セリ科」の植物で、ミツバやセリ、セロリなどの仲間です。

■和名:ニンジン
■学名:Daucus carota subsp. Sativus
■原産地:アフガニスタン

一方、和漢素材の高麗人参は「ウコギ科」の植物で、ウドやタラの芽、コシアブラなどの山菜の仲間です。

■和名:オタネニンジン
■学名:Panax ginseng C. A. Meyer
■原産地:中国東北部、朝鮮半島、ロシア沿海州

高麗人参の学名に含まれるPanはギリシャ語で「すべて」、ax(axos)は「治療する」という意味で、いろいろな問題を解決する万能薬という意味が込められています。
昔から人々がいかに高麗人参を頼りにしてきたかが、学名からも伝わってきますね。

高麗人参は収穫までが長い作物

高麗人参は、地中に太く長い根を作る植物です。和漢素材に使うのは根なので、根を育てるために何年も栽培する必要があり、4~6年かけてようやく収穫できます。

高麗人参は、根から上は真っすぐ伸びて、放射線状に葉をつけます。
緑の花をたくさん咲かせたあと、付くのは赤い実です。
実はハートを少し潰したようなかわいらしい形で、中に2つ種が入っています。

高麗人参の栽培は容易ではない

高麗人参はもともと林の中に生えている植物で直射日光を嫌います。
そのため、水はけがよくなるよう山の斜面に畝を立てて植え、
日よけの屋根を設置して栽培しなければいけません。
屋根の設置から収穫後の撤去まで、一連の作業はとても重労働です。

さらに、高麗人参は強烈な連作障害を起こすので、1度育てた土地では10年から20年は栽培できません。
連作障害の主な原因は根腐れ病です。

根腐れ病とは、線虫(センチュウ)が原因で起こる植物の病気です。根から水分が染み出して茶色になり、根が腐ってしまいます。
日除けしながら育てる高麗人参は、夏でも土の温度が高くならず、菌もセンチュウも繁殖し続けてしまうのです。

たとえば、睡眠不足が続くと気分が落ち込みやすくなったり、強いストレスが続くと胃腸の調子が乱れたりするように、私たちの心と体は常に連動しています。体が整えば心も整います。そのため食養生も、「体を整える」だけでなく、結果として「心の安定にもつながるセルフケア」として考えられます。

また、4~6年と長い栽培期間を要するため、土の中の菌とセンチュウの濃度が非常に高まってしまい、一度高麗人参を育てた土地では、根腐れ病のせいで10年から20年は他の作物を植えても育てられなくなってしまうのです。
収穫後、1つでも根腐れ病を起こした人参があると、周りの人参も根腐れ病に感染してしまうためすべて撤去しければなりません。

栽培が重労働であること、そして土地を移動して育てなければならないことから、高麗人参は希少な作物とされ、
日本では年々栽培数が減少の一途をたどっています。

高麗人参は収穫した後も手入れが必要

高麗人参を普段口にするような和漢素材にするためには、収穫したあと加工が必要となります。

高麗人参の本場(一大産地)は吉林省です。

ジネリアに使うのは、高麗人参の太い胴の部分の根っこだけです。そのため、高麗人参の根を洗ったあとは周りのひげ根を落とします。丁寧に乾燥させると和漢素材としての高麗人参が完成します。

高麗人参はどこで作っている?

主に中国・韓国で栽培していて、日本でも少ないながら栽培しています。
中国だと、吉林省・遼寧省・黒竜江省などが高麗人参の産地です。また、韓国は高麗人参を国の施策として栽培していて、
国内では贈答品としてよく流通しています。韓国では高麗人参は身近な品で、韓国のスターバックスで
高麗人参ラテが販売されたこともあるほど。

日本で高麗人参を栽培しているのは
福島県、長野県、島根県が有名で三大産地とも呼ばれます。福島会津若松市では、蕎麦屋や居酒屋で高麗人参の天ぷらが食べられます。高麗人参はウコギ科であり、山菜のウドやタラの芽の仲間なので、天ぷらにするとほろ苦くておいしいです。

日本では、江戸時代、朝鮮半島から大量の高麗人参を買い付けたことにより幕府が、、、
そのため、8代将軍の徳川吉宗が高麗人参の栽培を奨励し、日本での高麗人参栽培が始まりました。
一時期は日本で1年に約700トン近くの高麗人参を生産していましたが、現在はその1%程度しか生産していません。
ツムラでは、中国東北部に自社管理している広大な高麗人参畑があり、高品質な高麗人参を安定的に調達することができます。

まとめ

高麗人参は野菜の人参とは異なる植物で、栽培に非常に手間がかかります。
収穫しても、ある程度加工しないと皆さんが口にできるような和漢素材になりません。

昔、中国でもっとも長生きした皇帝、乾隆帝は1年に359日、高麗人参を食べていたとされています。
また、中国の明の時代に作られた植物辞典「本草綱目」(1596年)には、高麗人参のユニークなエピソードが記されています。
高麗人参を口に含んだものは35里(17km以上)走っても息を切らしませんでしたが、
高麗人参を含まなかったものは35里走って息切れしてしまったということです。
このように、高麗人参は、古くから健康や長寿のために重宝されてきました。ぜひ、現代でも高麗人参を食事に取り入れたいものですね。

一方これまでお伝えしてきた通り、高麗人参は希少性が高く、日常的に摂取するのが困難です。
ツムラでは、「ジネリア」や「養巡スープ」など、高麗人参を手軽においしく日常に取り入れられる食品を開発しております。
是非お気軽に取り入れていただけますと幸いです。