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公開日:2025/12/05 最終更新日:2025/12/05

暮らしに取り入れたい和漢素材:高麗人参

高麗人参

暮らしに取り入れたい和漢素材:高麗人参

日々の暮らしの中で、ふと「なんとなく不調かも」と感じる瞬間はありませんか?
朝の目覚めがすっきりしない、日中は重だるくて夕方にはエネルギー切れ……。
そんな ”ちょっとした不調” を、「年齢のせいかな?」「忙しいから仕方ないよね?」などと見過ごしているのではないでしょうか。
とくに女性は、ライフステージや環境の変化、気温差などから、心身のバランスを崩しやすい傾向にあるとも言われていますので、注意が必要です。

そんな女性の中でも、とくに疲れや冷えを感じやすい人たちの間で改めて注目されている素材があります。和漢素材の代表格「高麗人参(こうらいにんじん)」です。

高麗人参って、どんな植物?

栄養ドリンクなどでみかけることの多い「高麗人参」、なんとなく滋養強壮作用のイメージがあると思いますが、
そもそもどんな植物か知っていますか?
名前に「人参」とありますが、実は野菜の人参とは全く別の植物なんです。高麗人参の正式な名前※は「オタネニンジン」
といってウコギ科の植物です。身近なウコギ科の植物としては山菜の代表でもあるタラやウドなどがあります。
一方、野菜のニンジンはセリ科の植物。オタネジンジンは人々の健康を支える貴重な和漢素材として、
ニンジンは食卓を彩る野菜として長く親しまれてきました。
オタネニンジンの学名は「Panax ginseng(パナクス ギンセング)」で、
「Panax」は、古代ギリシア語で「すべて」を意味する「πᾶν (pân)」と、「治癒、薬」を意味する「ἄκος (ákos)」からなり、
「万能薬」を意味する合成語です。オタネニンジンの学名からも、人々の健やかな暮らしを支える存在として重宝されてきたこと
がわかります。
日本でも江戸時代に徳川吉宗の命によって国内栽培の取り組みが行われ、古くからその価値が認められてきました。
現代においても、和漢素材の代表格として、多くの人々に親しまれています。

高麗人参を取り入れている女性が増加中

かつては「男性向けの活力素材」として広く知られていた高麗人参ですが、近年は疲れや冷えを感じやすい女性たちからの注目度が高まっています。
「健康産業新聞」で2025年3月5日に下記のような特集が組まれたことも、注目されている証です。( https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/20466

【高麗人参】プレミアム原料の開発加速

ジンセンベリー、スプラウト、水耕栽培など、プレミアム原料の開発加速一般食、青汁、可食フィルムなど、呈味性改善で裾野拡大へ

「フェムケア(美容)」「免疫対策」をテーマに、高麗人参の新たな市場開拓が進んでいる。「高麗人参=滋養強壮・疲労回復」のイメージに依存する事なく、サプライヤー各社がエビデンス蓄積・原料開発に尽力したことが結実した格好だ。それに伴い、有効成分・ジンセノサイドを高含有化させたハイグレード原料、汎用性や呈味性を高めた次世代原料の開発が進む。また、ジンセンスプラウト、発酵ジンセンベリーなど、高麗人参原料のバリエーションが急速に広がっている。

食卓にも取り入れられる! 高麗人参のおすすめ料理

元気を補う素材として高麗人参を取り入れたいと思っても、エナジードリンクやサプリメントが苦手で躊躇しているかもしれません。しかし、高麗人参は料理にも使える「おいしい素材」でもあるんです。
高麗人参を使った代表的な料理を挙げておきましょう。

参鶏湯(サムゲタン)

鶏の中に高麗人参やもち米、ナツメなどを詰めて煮込む韓国の定番スープです。
参鶏湯を作るのが難しい場合は、普段の鍋料理やスープに高麗人参を少量入れて風味を加えるのもおすすめです。
寒い季節やがんばった日のご褒美にぴったり!

高麗人参の「天ぷら」

胴体の部分は適度な大きさに切って、
ひげ根の部分はそのまま天ぷらにするのがおすすめです。
独特なほろ苦さがアクセントとなり、大人の味わいが楽しめます。

無理なく取り入れるのが、高麗人参を活用するコツ

古くから健康増進に用いられてきた高麗人参ですが、「頑張って取り入れなきゃ!」と無理して付き合う必要はありません。
わざわざ参鶏湯を作らなくても、高麗人参を使ったインスタントのスープなど、自分のライフスタイルに合わせて無理なく続けられる方法を見つけてみてください。

普段から無理なく食卓に取り込みながら、体調の変化が気になったらいつも以上に意識して取り入れてみる……。
そんな風にライフスタイルに沿った形で高麗人参を活用し、自分の体をいたわってみてはいかがでしょうか。